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動物種別の
モノクローナル抗体探索ガイド

目次

モノクローナル抗体を取得できる動物は多様で、マウスやウサギ、ニワトリ、ヒトなどから、研究内容や目的に適した動物を選ぶことが重要です。

ここでは、それぞれの動物の種類や特性、モノクローナル抗体の取得方法などを紹介しています。目的に合った動物から、委託先選びの参考にしてみてください。

モノクローナル抗体:マウス

マウスを免疫動物として使用している受託会社は多く、ハイブリドーマ法の技術は一般化しており、比較的安価でモノクローナル抗体の取得が可能です。一方、取得された抗体の多様性や抗原親和性、特異性は限定的など課題も抱えています。

マウスから取得できるモノクローナル抗体は、脾臓やリンパ節などの骨髄からB細胞を取り出してハイブリドーマを樹立し、クローニングできるまで、約4〜6ヶ月で作製できるのが特徴です。

マウスモノクローナル抗体作製の
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モノクローナル抗体:ウサギ

ウサギは、マウスと同様に免疫動物としては一般的です。しかしポリクローナル抗体を作製している受託会社は多くありますが、モノクローナル抗体を作製できる企業は限られています。ウサギのモノクローナル抗体はマウス抗体と比較し多様性、親和性、特異性に優れていることが知られています。

ウサギから取得できるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマの樹立が難しいため、個々のB細胞から抗体を作製するシングルセル法やライブラリー法によって作製されます。脾臓や血液から取り出されたB細胞を用いたシングルセル法では、最短1か月程度で抗体を作製・評価できるサービスも提供されています。

モノクローナル抗体:ニワトリ

ニワトリは、マウスやウサギと同様に免疫動物として使用している受託会社は多く、ある抗原に対する特異性と再現性のある抗体を安定的に作製できることが特長です。

ニワトリから取得できるモノクローナル抗体は、ファブリキウス嚢から取り出されたB細胞を使います。最終的に、約4〜6ヶ月ほどでニワトリのモノクローナル抗体が作製されます。

ニワトリモノクローナル抗体作製の
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モノクローナル抗体:ラクダ科動物

抗体を取得するラクダ科動物にはアルパカやラマがいます。ラクダ科動物の抗体作製受託会社では免疫をせずにディスプレイ法で作製するケースが多く見られます。

ラクダ科動物特有の重鎖抗体の可変領域であるVHH抗体は低分子であり、安定性が高く、微生物を用いた低コストでの生産が可能なことから医薬品としての応用が注目されています。

ラクダ科動物モノクローナル抗体作製の
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モノクローナル抗体:ヒト

ヒトモノクローナル抗体の作製には、抗原となるウイルスの感染者ワクチン接種者の末梢血リンパ球がんや自己免疫疾患を持つ患者の病変組織に存在するリンパ球などが材料として必要です。

ヒト抗体はシングルセル法や培養法、ライブラリーを用いることで作製されますが、ヒトの免疫応答を引き起こさないため、安全性の高い医薬品としての開発が期待されます。

ヒトモノクローナル抗体作製の
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モノクローナル抗体:サメ

魚類のモノクローナル抗体の研究は、まだそれほど一般化していませんが、哺乳類の抗体作製で生じる課題を解決できる可能性が期待されています。

特にサメなどの軟骨魚類は、脊椎動物で一般的に見られる獲得免疫の仕組みを最初に進化させた生物です。ヒトのタンパク質の相同性がかなり低く、マウスなどの哺乳類では取得できなかった抗体がサメによって得られるのではないかと考えられています。

サメモノクローナル抗体作製の
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モノクローナル抗体:その他の動物

ここで挙げた動物以外にも、例えばラットやヤギ、ロバ、ハムスターといった多種多様な動物からモノクローナル抗体を取得できます。腸骨リンパ節法により短納期が期待できるラットや、高い親和性のあるロバやヤギ、多くの遺伝子研究で用いられているハムスターなど、それぞれに特長があります。

動物種によって取得できるモノクローナル抗体には違いがあるので、目的に合ったモノクローナル抗体を取得できる動物種を見つけるのが重要です。

モノクローナル抗体の探索依頼は
「動物を知る」ことから

標的に結合するモノクローナル抗体を探索するなら、求める親和性や特異性を発揮できる動物選びが重要。動物の特性を正しく理解し、適した手法で取得できる受託会社に依頼しましょう。

このサイトでは、動物の特徴や取得手法の違いをお伝えした上で、動物種別のおすすめモノクローナル抗体作製受託会社をご案内しています。委託先選びの参考にしてみてください。

モノクローナル抗体作製
受託会社のおすすめを
動物から見つける

【動物別】
おすすめのモノクローナル抗体
作製・探索受託会社4選

マウスモノクローナル抗体は、取得する抗体の多様性や、親和性・特異性が限定的なこと、マウス疾患モデルで免疫染色を行う場合に問題が生じることがあることなど、いくつもの課題を抱えています。

ここではウサギ・ニワトリ・ラクダ科動物・ヒトといった4種類の動物を中心に、合った目的や特徴について詳しくまとめました。

Google検索で「モノクローナル 抗体受託」と検索した結果より、モノクローナル抗体の取得・探索・作製受託を行う会社・39社を調査(2023年6月7日調査時点)。
日本抗体学会(https://antibodysociety.jp/)に所属している企業の内、対象の動物種からモノクローナル抗体を作製するサービスを提供している会社をピックアップ。

特許技術「Ecobody®」で
高機能ウサギ抗体を迅速に取得
iBody株式会社

iBodyのウサギモノクローナル抗体は
こんな目的におすすめ

  • 高い親和性と特異性を活かした免疫染色を実施したい
  • わずかな違いのある抗原を見分け、低分子抗原を高感度に検出したい
  • 高感度な診断薬を開発したい

iBodyのウサギモノクローナル抗体作製の特徴

  • 遺伝子配列に依存せず、高機能な抗体を取りこぼすことなく評価できる
  • B細胞の不死化や培養が不要
  • 最短2日間という極めて短期間で抗体を取得・評価可能

iBodyの公式サイトで
抗体作製受託サービスを見る

独自技術「ALAgene(R)」で新たな創薬ターゲットを開拓
株式会社ファーマフーズ

ファーマフーズのニワトリモノクローナル抗体は
こんな目的におすすめ

  • 相同性が高く、哺乳類では得られなかった抗体を取得したい
  • IgY抗体を取得したい

ファーマフーズのニワトリモノクローナル抗体作製の特徴

  • 創薬ターゲット分子に対しての抗体作製が可能
  • 同じ性質の抗体を安定的に供給可能

ファーマフーズの公式サイトで
抗体作製受託サービスを見る

独自の抗体ライブラリーにより10日前後でVHH抗体作製可能
RePHAGEN株式会社

RePHAGENのラクダ科動物モノクローナル抗体は
こんな目的におすすめ

  • 安定性の高いVHH抗体を取得したい
  • 低分子抗体を取得したい
  • 多価抗体や多重特異性抗体を作製したい

RePHAGENのラクダ科動物モノクローナル抗体作製の特徴

  • 豊富なライブラリーか最短10日で抗体開発
  • 熱やpHへの耐性がある高安定型ラクダ科VHH抗体を保有
  • 多様性を増大させたVHH提示ファージライブラリーを構築

RePHAGENの公式サイトで
抗体作製受託サービスを見る

「Ecobody技術®」で
有用なヒト抗体を取りこぼさない
iBody株式会社

iBodyのヒトモノクローナル抗体は
こんな目的におすすめ

  • 医薬品開発に適した抗体を取得したい
  • 感染症の感染者から感染ウイルス等を中和する抗体を同定したい
  • 自己免疫疾患の発症機構を解明したい

iBodyのヒトモノクローナル抗体作製の特徴

  • すべての抗体を発現可能で抗体の取りこぼしがない
  • 病変部位に出現する抗体を収集可能
  • 患者自己抗体の同定が可能

iBodyの公式サイトで
抗体作製受託サービスを見る