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抗体医薬品に用いられるモノクローナル抗体の種類

目次

抗体医薬品として用いられるモノクローナル抗体の分類としては、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体の4つが有名です。では、それぞれの抗体にはどのような特徴があるのでしょうか。このページで詳しく解説しています。

※参照元:中外製薬公式サイト(https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/bio/antibody/antibodyp13.html

マウス抗体

マウス抗体はマウスの抗体産生細胞から作られるモノクローナル抗体です。人体にとっては異物であるためアレルギー反応を引き起こす懸念があり、そもそも人体に入ると反応が弱くなることもあります。キメラ抗体やヒト化抗体は人体にとってより安全で反応性が高い抗体を作りだす研究の結果開発されたものであり、キメラ抗体やヒト化抗体の登場によってモノクローナル抗体は医薬品として使えるようになりました。

キメラ抗体

遺伝子工学の技術を用いてマウス抗体の遺伝配列を部分的にヒト抗体の遺伝配列に置換して作成したモノクローナル抗体がキメラ抗体です。抗原に結合する先端の部分にのみマウス抗体を残し、残りの部分をヒト抗体で置き換えた構造となっております。

ヒト化抗体

マウス抗体に由来する部分をキメラ抗体よりもさらに少なくしたのがヒト化抗体であり、英国のWinter医師によって1998年に開発されました。相補性決定領域(CDR)にのみマウスの抗体を残し、相補性決定領域を支えるフレームワーク領域(FR)はまるごとヒト抗体で置き変えられた構造になっており、全体のうちでマウス抗体に由来する部分は10%程となっています。

人体においてはヒト免疫グロブリンとして認識されるため、異物として作用しアレルギー反応を引き起こす可能性がほぼないのがヒト化抗体です。

完全ヒト抗体

ヒト型抗体と呼ばれることもある完全ヒト抗体は、マウスの抗体由来の部分を全く含まないモノクローナル抗体であり、人体との完全な親和性を持ちます。完全ヒト抗体の作成には様々な方法があり、代表的なものとしては、ヒトの抗体産生細胞が移植されたトランスジェニックマウスを使う方法や、バクテリオファージを使用するファージディスプレイ法などがあります。またシングルセル法でヒトのB細胞から直接遺伝子を増幅し、抗体を作製する技術や取得方法も確立されています。

今日では、世界各国の様々な研究機関で完全ヒト抗体に関する研究が行われており、さらなる技術開発が期待されている領域の一つです。特に、20年以上前に東京薬科大学生命科学部教授の冨塚一磨氏が世界で初めて染色体導入ヒト抗体産生マウスを開発した我が国では、完全ヒト抗体の研究が盛んに行われています。


モノクローナル抗体の探索依頼は
「動物を知る」ことから

標的に結合するモノクローナル抗体を探索するなら、求める親和性や特異性を発揮できる動物選びが重要。動物の特性を正しく理解し、適した手法で取得できる受託会社に依頼しましょう。

このサイトでは、動物の特徴や取得手法の違いをお伝えした上で、動物種別のおすすめモノクローナル抗体作製受託会社をご案内しています。委託先選びの参考にしてみてください。

マウスで取れない抗体が見つかる
モノクローナル抗体作製
受託サービス会社一覧

【動物別】
おすすめのモノクローナル抗体
作製・探索受託会社4選

マウスモノクローナル抗体は、取得する抗体の多様性や、親和性・特異性が限定的なこと、マウス疾患モデルで免疫染色を行う場合に問題が生じることがあることなど、いくつもの課題を抱えています。

ここではウサギ・ニワトリ・ラクダ科動物・ヒトといった4種類の動物を中心に、合った目的や特徴について詳しくまとめました。

Google検索で「モノクローナル 抗体受託」と検索した結果より、モノクローナル抗体の取得・探索・作製受託を行う会社・39社を調査(2023年6月7日調査時点)。
日本抗体学会(https://antibodysociety.jp/)に所属している企業の内、対象の動物種からモノクローナル抗体を作製するサービスを提供している会社をピックアップ。

特許技術「Ecobody®」で
高機能ウサギ抗体を迅速に取得
iBody株式会社

iBodyのウサギモノクローナル抗体は
こんな目的におすすめ

  • 高い親和性と特異性を活かした免疫染色を実施したい
  • わずかな違いのある抗原を見分け、低分子抗原を高感度に検出したい
  • 高感度な診断薬を開発したい

iBodyのウサギモノクローナル抗体作製の特徴

  • 遺伝子配列に依存せず、高機能な抗体を取りこぼすことなく評価できる
  • B細胞の不死化や培養が不要
  • 最短2日間という極めて短期間で抗体を取得・評価可能

iBodyの公式サイトで
抗体作製受託サービスを見る

独自技術「ALAgene(R)」で新たな創薬ターゲットを開拓
株式会社ファーマフーズ

ファーマフーズのニワトリモノクローナル抗体は
こんな目的におすすめ

  • 相同性が高く、哺乳類では得られなかった抗体を取得したい
  • IgY抗体を取得したい

ファーマフーズのニワトリモノクローナル抗体作製の特徴

  • 創薬ターゲット分子に対しての抗体作製が可能
  • 同じ性質の抗体を安定的に供給可能

ファーマフーズの公式サイトで
抗体作製受託サービスを見る

独自の抗体ライブラリーにより10日前後でVHH抗体作製可能
RePHAGEN株式会社

RePHAGENのラクダ科動物モノクローナル抗体は
こんな目的におすすめ

  • 安定性の高いVHH抗体を取得したい
  • 低分子抗体を取得したい
  • 多価抗体や多重特異性抗体を作製したい

RePHAGENのラクダ科動物モノクローナル抗体作製の特徴

  • 豊富なライブラリーか最短10日で抗体開発
  • 熱やpHへの耐性がある高安定型ラクダ科VHH抗体を保有
  • 多様性を増大させたVHH提示ファージライブラリーを構築

RePHAGENの公式サイトで
抗体作製受託サービスを見る

「Ecobody技術®」で
有用なヒト抗体を取りこぼさない
iBody株式会社

iBodyのヒトモノクローナル抗体は
こんな目的におすすめ

  • 医薬品開発に適した抗体を取得したい
  • 感染症の感染者から感染ウイルス等を中和する抗体を同定したい
  • 自己免疫疾患の発症機構を解明したい

iBodyのヒトモノクローナル抗体作製の特徴

  • すべての抗体を発現可能で抗体の取りこぼしがない
  • 病変部位に出現する抗体を収集可能
  • 患者自己抗体の同定が可能

iBodyの公式サイトで
抗体作製受託サービスを見る